日本ケーブルラボは2019年3月12日(火)、世界規模で環境構築が急務とされるIPv6について、海外・国内の最新状況や日本のケーブルテレビ業界およびラボにおける対応状況の情報共有、事業者による導入事例紹介などを目的に、第28回ラボワークショップ「ケーブルIPv6最新動向 ~ディプロイメントからマイグレーションへ~」を一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟と共催しました。

1. 日時・場所
2019年3月12日(火)14:00~16:45 鉄鋼会館

2. 参加者数
91名(会員別参加状況:正会員31社、賛助会員10社)

3. プログラム
当日の講演資料・動画はこちらに掲載しています。会員ログインの上、ご覧ください。

(1) 特別講演「IPv6 ~変化したものと、変化していないもの~」東京大学 大学院 教授 江崎 浩 氏
IPv6の国内外の普及状況や最新トピックスを総務省や内閣府の方針を交えながら紹介。加えて、インドでのIPv6ユーザー数増加、中国AlibabaのIPv6対応表明など、人口規模の大きい国の対応状況、ならびにIPv6におけるセキュリティについても解説した。

(2)「ケーブル業界におけるIPv6の取組み」日本ケーブルラボ
IPv6の普及状況や標準化動向などの最新情報、ケーブル事業者におけるIPv6導入時のIPv4/IPv6デュアルスタック化やCGN運用における課題を紹介。また、ケーブル業界で導入が進まない現状やCGNのセキュリティ対策を踏まえ、IPv6シングルスタック上でのIPv4aaSの概要や導入事例も説明した。

(3)「IPv6の取組みと運用」株式会社伊豆急ケーブルネットワーク
DOCSIS3.0環境でIPv6を導入したことで、NAT通過トラフィックが33%減少し、NAT増強のコストメリットを実現した事例を紹介した。

(4)「株式会社ニューメディアのIPv6取り組み」株式会社ニューメディア
IPv6対応に着手してからサービス提供開始までの半年間の取り組みを、FTTH環境におけるIPv6ネットワーク構築の際の構築手順、各種設定内容や設定時の注意点も含め、具体的に紹介した。

(5)「IPv4aaSで活用されるIPv6移行技術と海外事例のご紹介」A10ネットワークス株式会社
A10ネットワークがサポートするIPv6移行技術、および海外の移行技術の利用事例を紹介。DNS名前解決を利用してIPv6をIPv4に変換する技術「DNS64/NAT64」を用いてデュアルスタックからIPv6シングルスタックにスムーズに移行できる事例を解説した。

(6)「オンラインゲームからみた、国内・海外ネットワークにおける“接続性・遅延環境”と“IPv6の利用状況・可能性」株式会社コナミデジタルエンタテインメント
オンラインゲームの技術的視点から見た、ネットワークの遅延・帯域・接続性の理想と現状、ゲーム業界側がISPに求める品質確保のための注意点、ならびにIPv6化の意義などについて、国内外の事例を交えて紹介した。