日本ケーブルラボは2023年3月7日(火)、第53回ラボワークショップ「Wi-Fi 新サービスへの展望~IP放送、センシング、Wi-Fi6Eの効果~」を開催しました。

本ワークショップでは、Wi-Fiを利用した新たなサービスに注目し、IP放送のWi-Fiルータ実機を用いたIPマルチキャスト配信による品質測定結果をはじめ、昨年に利用可能となったWi-Fi 6Eの宅内測定結果、Wi-Fiを用いたセンシングサービスなど、最新技術動向を紹介しました。

  1. 日時・場所

    2023年3月7日(火)14:00~16:00  Zoom Webinar配信

  2. 参加者数

    313名

  3. プログラム

    当日の講演動画はこちらに掲載しています。会員ログインの上、ご覧ください。

    「Wi-FiマルチキャストでIP放送を視聴できるか」 一般社団法人日本ケーブルラボ
    市販ルータ4モデルを使って6種の試験を実施したところ、総務省令の技術基準を満たす組み合わせがあることを確認しました。また、ルータと同機種を子機とした場合の構成では、安定性の向上がみられましたが、STBなどの端末で高品質が得られる条件については、引き続き調査が必要であることを説明しました。
    「Wi-Fiを利用するセンシング」 東北学院大学
    Wi-Fi電波の利用によるコストメリットおよびAIによるWi-Fi電波の分析能力向上に伴い、Wi-Fiセンシングが注目されています。物体による受信状態の変動情報を取得することで、物体の位置が特定できるセンシングの仕組みについてご説明いただきました。
    「ホームネットワークの進化と動向~Wi-Fi 6E、Wi-Fi 7編~」 NECプラットフォームズ株式会社
    Wi-Fi6Eは、6GHz帯の500MHzの連続した帯域幅を活用することで、安定した通信が確保され、現在の2.4GHz帯や5GHz帯の混雑も解消されることをご説明いただきました。一方Wi-Fi7では、MLO技術*1により混雑を回避し、ユーザ使用感の大幅な改善が見込まれるとの見解を示していただきました。
    「Wi-Fi 6Eを使ってみた」 一般社団法人日本ケーブルラボ
    Wi-Fi6E対応AP(アクセスポイント)を同機種対向構成で実測したところ、ユニキャスト(TCP)では、5GHz帯と比べ最高スループットが向上し、一方マルチキャスト(UDP)では、MAC層をユニキャスト変換した配信でパケット損失が低下したことを報告しました。また、Wi-Fi6Eの6GHz帯の実測では、高速かつ安定した通信が得られる結果となったことも報告しました。
  4. MLO(Multi-Link Operation)技術
    1つのIPアドレスで複数の周波数を同時に使う技術