日本ケーブルラボは2023年11月7日(火)、品川プリンスホテルにて、第I部 第11回国際セミナー、第II部 第48回技術セミナー、および第III部 情報交換会の3部構成によるラボ オータムセミナー2023を開催しました。

なお、国際セミナーは、総務省、一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟、および一般社団法人日本CATV技術協会より後援をいただきました。

日時・場所

2023年11月7日(火)10:00~19:00 品川プリンスホテル メインタワー

参加者数
  1. 国際セミナー       90名
  2. 第48回ラボ技術セミナー  126名
  3. 情報交換会        96名

(会員別参加状況 正会員35社、賛助会員26社)

プログラム
当日の講演動画はこちらに掲載しています。会員ログインの上、ご覧ください。
(なお動画は、技術セミナーのみ公開とさせていただきます。あらかじめご了承ください。)

【第I部】第11回国際セミナー

「米国ケーブルビジネス最新事情」 米国ケーブルラボ Jeff Chen様
業界を支えてきたブロードバンド市場に陰りが見え始めるなか、依然としてFWAが注目されていること、データ使用量の多い利用者が増え、なかでも200~400Mbpsのコースが人気なこと、多チャンネル放送の解約は収まる気配はないが、広告付きやバンドル化された放送サービスは復活する傾向にあること、業界は、未知の社会変化の真っただ中にあることなどが報告されました。
「米国ケーブル運用の技術変革」 米国ケーブルラボ  Jeff Chen様、Curtis Knittle様、Jason Rupe様、Sayandev Mukherjee様
米国では、デジタル光、帯域の拡大、FTTP(Fiber to the premises)の導入などが注目分野であること、DOCSIS 4.0 のショーケースイベントを開催したこと、FTTPはプロビジョニング、相互運用性、エコシステムなど主要6分野について 活動推進中であること、そして複雑化したネットワークの運用は大きな課題であり、データに基づいた保守運用の最適化が図られていることなどが紹介されました。また、AIの応用による運用自動化が模索されていること、AIを利用する事業者が守るべき原則、それらにより自律ネットワークへの移行を容易化することが報告されました。
「韓国・アジアの最新ケーブルサービス・技術動向」 韓国ITジャーナリスト 趙 章恩様
韓国内でのメディアウォールの設置が増加していること、IoTマンションが増加していることとその事例、Netfix制作のオリジナルコンテンツが増加していることなどが紹介されました。さらにCATV事情として、OTTは地上放送と同時配信するようになりCATVの役割が減少していること、ケーブル局自体も大手キャリアに買収されており、ケーブルサービスのみを提供する事業者は、現在では中小9社にまで減少していることも説明されました。アジア情勢では有料放送の現況が説明され、特に中国・インドネシア・タイ・ベトナムなどのOTT市場について報告されました。

国際セミナー(Jeff Chen 氏 講演)


    

国際セミナー(趙 章恩 氏 講演)

【第Ⅱ部】第48回ラボ技術セミナー

「IPが拓くケーブルサービス」 日本ケーブルラボ
ケーブル事業を支える5つの重点技術分野について、それぞれの意義、概要、関連をまとめ、「IP放送仕様とその新サービス」「Over10Gサービスにむけた最新情報」「Wi-Fi6EとIPマルチキャスト配信」「新たなFTTH構築ソリューション」「運用保守業務の高度化」「ラボ自主案件 サービス品質のセキュリティ紹介」などを説明しました。また現在ラボ内に構築している「近未来ルーム」の紹介を行いました。
特別講演
「エルビウム添加光ファイバー増幅器(EDFA)の発明と光通信への応用-50年に亘る光通信の研究を振り返って-」
東北大学 特別栄誉教授 中沢正隆様
50年に亘るこれまでの中沢正隆特別栄誉教授の研究を振り返り、「Semiconductor-laser pumped EDFA※発明への道」「EDFAを用いた新たな光伝送技術への挑戦」について講演されました。またご自身の体験から「研究を振り返って思うこと-若い人へのメッセージ-」と題して、参加者へのメッセージを頂きました。

技術セミナー会場風景


    

技術セミナー(中沢 正隆 氏 特別講演)

【第III部】情報交換会

セミナーにご参加いただいた業界関係者との交流の場として情報交換会を実施いたしました。また、同会場にて、2023年度前期JQE資格検定試験合格者へのJQE(JLabs Qualified Engineer)資格※認定証の授与式を行いました。

* JQE(JLabs Qualified Engineer)資格についてはこちらをご覧ください。