日本ケーブルラボは2024年11月7日(木)、品川プリンスホテルにて、第I部は国際セミナー、第II部は第49回技術セミナー、および第III部は情報交換会の3部構成によるラボ オータムセミナー2024を開催しました。

なお、国際セミナーは、総務省、一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟、および一般社団法人日本CATV技術協会より後援をいただきました。

日時・場所

2024年11月7日(木)10:00~19:00 品川プリンスホテル メインタワー、ZoomWebinarによるライブ配信も併行開催

参加者数
  1. 国際セミナー       108名
  2. 第49回ラボ技術セミナー   121名
  3. 情報交換会        77名

(会員別参加状況 正会員30社、賛助会員22社)

プログラム
当日の講演動画はこちらに掲載しています。会員ログインの上、ご覧ください。
(なお動画は、技術セミナーの一部のみ公開とさせていただきます。あらかじめご了承ください。)

【第I部】国際セミナー

「米国ケーブルビジネス最新事情」 米国ケーブルラボ Jeff Chen様
本講演では、次のような米国市場動向が報告されました。
米国のケーブルテレビ市場は10四半期連続で赤字を計上し、加入者がこの5年間で20%減少、一方、ブロードバンド市場は飽和状態にあり、加入者数の増減はほぼ見られませんが、ケーブル事業者のネットワーク投資は継続中です。FWA市場は加入者増加が続いていますが、競争が激化しており、データ消費量増加に対する対応が課題です。光回線FTTPのフットプリントは拡大中ですが、加入にはあまり至っていません。また、ケーブルモバイルは勢いを増し、主要事業者はモバイル業界で顕著なシェアを占めています。
「韓国・アジアの最新ケーブルサービス」 韓国ITジャーナリスト 趙 章恩様
本講演では、次のような現況が報告されました。
韓国ではAI搭載の受信機や番組制作へのAI導入が進んでおり、放送産業は2021-2022年に微増を見せたものの、ケーブルテレビ加入者数は減少しました。特に、解約を検討する加入者が増加し、「テレビを見なくなった」という傾向が顕著です。一方、アジア全体では有料放送市場が拡大し、特に日本向けの放送プログラム輸出が増加。今後はFASTやYouTubeなど無料サービスの影響、AI生成コンテンツが業界に与える影響が注目されます。

国際セミナー(Jeff Chen 氏 講演)


    

国際セミナー(趙 章恩 氏 講演)

国際セミナー会場風景

【第Ⅱ部】第49回ラボ技術セミナー

「ケーブルテレビの再発明」 日本ケーブルラボ
ケーブル事業を支える5つの重点技術分野について「ケーブルテレビの再発明」と題し、それぞれの意義、概要、関連をまとめました。この中で「放送・配信サービス」「スマートホームサービス」「無線ビジネス(BtoB・G向け)」「これからのWi-Fi HaLow」「インフラ技術:有線」「インフラ技術:無線」「モバイルへのインフラシェア」「サービス品質・業務効率化」などを説明しました。
特別講演
「未来を創るデジタルインフラストラクチャ」
慶応義塾大学 教授 村井純様
本講演では、インターネットの黎明期から近未来までについて、次のような説明を行いました。
Ted NelsonのXanaduプロジェクトに触れ、1960年代にインターネットや著作権に関する先見的な提案が行われたことが紹介されました。デジタルインフラは、データ、インターネット、コンピュータの3カテゴリに分けられ、インターネットの役割と標準化の重要性が強調されました。講演された村井教授のエミー賞受賞を受け、HTML5による「Full TV Experience」の実現や、ネットワークを活用した医療、GPS技術の向上が紹介され、位置情報精度の改善が未来の応用に繋がる可能性が示されました。

技術セミナー会場風景


    

技術セミナー(村井 純 氏 特別講演)

【第III部】情報交換会

セミナーにご参加いただいた業界関係者との交流の場として情報交換会を実施いたしました。また、同会場にて、2024年度前期JQE資格検定試験合格者へのJQE(JLabs Qualified Engineer)資格※認定証の授与式を行いました。

* JQE(JLabs Qualified Engineer)資格についてはこちらをご覧ください。