ハイブリッドBox技術規格JLabs SPEC-023は、オーディエンスメジャメント機能を規定しています。この機能は、STBユーザ合意の下、利用者の行動情報の測定(視聴操作、視聴履歴等)を行うものであり、これらの収集データを活用して、コンテンツの購入や視聴を促すサービスに活用できます。Aさんの視聴する番組の属性データの分析から「Aさんは時代劇をよく見るので時代劇をレコメンドする」事や、多くのユーザが視聴する番組の傾向を分析して「この番組を見た人は、この番組も見ています」というレコメンドを行うことも可能です。更に事業者のHP上で前述の番組レコメンドを行ったり、周辺のおいしいお店のレコメンド、今注目商品のレコメンド等への応用も考えられます。

一般的にレコメンドエンジンという場合は、主にWEB上で用いられるレコメンデーションを指す場合が多く、対象者が起こした何らかのアクションに対して、判断し予測するステップを経てコンテンツをリアルタイムに提示する場合が多いと言えます。

レコメンドエンジンには様々な種類が存在しますが、大別するとパーソナライズドレコメンドと協調フィルタリングレコメンドに分類されます。前者は、ユーザの行動履歴をリアルタイムにトレースし、ユーザ毎に最適なレコメンドを行うエンジンです。従って、冒頭のケーブルサービスの例では、「Aさんは時代劇をよく見るので時代劇をレコメンドする」というタイプのレコメンドに相当し、後者は、「この商品を見た人はこの商品も見ています」というレコメンドを行うエンジンです。同類の商品を中心にレコメンドし、時に驚きのある商品もレコメンドします。

レコメンドエンジンは必ずしもWEB上でのみ使用されるものではなく、コールセンターや金融・クレジット会社等でも活用されています。物品販売等を取り扱うコールセンターでは、例えば過去に商品を購入した事のある人が電話をかけてきた場合、オペレーターは、パーソナライズドもしくは、協調フィルタリングレコメンドエンジンの出力に基づき画面上に表示されるレコメンドコンテンツを見ながらユーザへ勧めるという利用方法があります。従って、例えばケーブル事業者のコールセンターでレコメンドエンジンを活用し、ユーザに対して未加入の新たなサービスのレコメンドに用いることも可能です。