日本ケーブルラボは、2018年7月19日~20日に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されたケーブルコンベンション2018において、「第40回ラボ技術セミナー ~ラボ最新活動報告~」と題した講演を行いました。同時開催されたケーブル技術ショー2018では主催者テーマゾーンにおいて、「放送高度化技術」「ケーブルネットワーク高度化技術」をテーマにラボで研究開発した技術やシステム等についてデモンストレーション・パネル展示を行いましたのでご報告します。
当日は、講演、展示ともに大勢の方々にご来場いただきました。ありがとうございました。

1. ケーブルコンベンション講演
・日時 2018年7月20日(金)第1部 14:00~15:30 第2部 16:00~17:30
・会場 東京国際フォーラム ホールB5(1)
・講演内容 「第40回ラボ技術セミナー ~ラボ最新活動報告~」
【第1部】
(1) 総括
 2017年度下期から2018年度第一四半期までのラボ活動の全体像とトピックスを説明
(2) 運用仕様関連
 ①外付けHDD録画済み番組引継ぎ運用仕様
 ラボが策定したSTB外付けHDD録画済み番組引継ぎに係る運用仕様を紹介
 ②IP再放送運用仕様策定状況
 ラボにおけるIP再放送に係る運用仕様の策定状況を説明
(3) 羅針盤2018概要
 4年ぶりに改訂したケーブル関連技術の指南書である羅針盤2018の改訂の要点を紹介
【第2部】
(4) 技術調査報告
 ①宅内Wi-Fi ネットワーク性能評価&設置ガイドライン
 ラボで実施した宅内におけるWi-Fi機器の性能評価の分析結果ならびにWi-Fi機器設置に関するガイドラインを紹介
 ②HTML5アプリケーション開発ガイドライン
 どのようなSTB実装ブラウザでも同様に表示できるHTML5コンテンツの作成を目指した開発ガイドラインを紹介
 ③Watermark(電子透かし)調査報告
 デジタルWatermark方式、商用向けソリューションならびに商用サービスへの導入動向に関する報告書を紹介
 ④海外技術調査報告
 海外の展示会(CES、NAB、ANGA、COMPUTEX)における最新技術動向を紹介
 ※講演資料・動画はこちらに掲載しています。会員ログインの上、ご覧ください。

ケーブルコンベンション ラボ講演風景



2.ケーブル技術ショー展示
・日時 2018年7月19日(木)9:30~18:00
    2018年7月20日(金)9:30~17:00
・会場 東京国際フォーラム B2F ホールE
・展示内容
(1) 放送高度化技術
 ①放送/通信のコンテンツ自動切替技術
 放送(RF)と通信(IP)帯域の有効利用のための効率的配信システムの研究成果について紹介。視聴率の変化により、配信方式やビットレートが変わる様子や視聴者の満足度を考案したQoE指標の変化についてエミュレータにてデモを行った
 ②第2世代スマート編集システム
 従来ローカルで作業していた映像編集からHEVC(H.265)出力作業をオンライン化し、複数のユーザーでの並列作業を可能としたシステムを紹介
 ③タブレットリモコン
 高齢者にも優しいユーザインタフェースを実現したタブレット型STBリモコンを紹介。タブレットリモコンの指操作、音声操作によるTV視聴操作、Web画面操作などを体感いただいた
(2) ケーブルネットワーク高度化技術
 ①ネットワーク品質測定システム(プローブ、サーバ)
 ラボが開発した、QoSを適切に維持するために重要となる変動するIPネットワークの帯域や遅延時間、パケットロス等のネットワーク品質、回線上のデータオフロードトラフィックを測定可能なツールを紹介
 ②インフラコスト分析シミュレータ
 HFCからFTTHへのマイグレーションのための設備投資と収支見込みを、ケーブル事業者の事業環境に合わせて分析できるエミュレータを紹介
 ③LPWAツールキット
 昨年度の見守りセンサーに続くIoT機器とLPWA(LoRa)・地域BWAとの連携活用事例として、温湿度センサーとLPWAとを連携させた、リアルタイムで温湿度情報をクラウド上で管理・確認できるシステムを紹介
(3) ラボ教育制度(eラーニング講座)
 ラボが2018年度から将来のケーブルテレビ業界を担える技術担当者向けに開設する、eラーニングによるJQE基礎講座(※)を紹介
 (※)講座では、物理レイヤからアプリケーションレイヤまで、ケーブル技術および業界が抱える課題への対処方法や今後の新技術を網羅し、初心者にもわかりやすく解説

ケーブル技術ショー ラボ出展ブースの様子