日本ケーブルラボは、NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)より委託を受け、「ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発」の分野で「降水レーダーとセンサーネットワークにおける地域気象観測・予測と防災・エネルギーマネージメント」について研究開発を行っています。(関連記事はこちら)
2015年度研究内容としては、第2世代STB(Smart TV Box)にWi-SUNドングル(USB型)を接続し、センサー端末との相互接続およびデータ送受信の検証を実施しました。具体的には、2014年度にラボが設計した「Wi-SUNドライバソフトウェア基本設計書」に基づきSTB向けドライバを開発した上で、基本設計書に併せて作成した「総合試験計画書」に沿って、Wi-SUNドングルの単体試験(約500項)および相互接続環境での総合試験(約1,000項)を実施し、問題なく動作することが確認できました。
これら研究開発の成果についてNICTの中間審査を受けた結果、2016~2017年度も研究開発を継続することが決定しました。今後、HEMSアプリを開発し、それを用いたケーブル事業者での実証実験を行っていく予定です。
詳細資料はこちらよりご覧ください。
【Wi-SUNを活用したHEMSサービス検討イメージ】
日本ケーブルラボは、STBにおける個人番号カード読込み機能を2016年1月に仕様化(JLabs SPEC-031)しましたが、この機能を第3世代STBの必須機能の1つと位置付けるため、第3世代STBを定義している第3世代STBサービス・機能要件書を改定しました。また、4Kサービスの機能についてこれまで自主放送を含むいずれか1つの4Kサービスを必須としていましたが、本改定において高度BS再放送を必須機能に追加しました。これに付随して、第3世代STB仕様の概要をまとめたガイドラインについても改定しています。
【改定対象仕様書】
改定前:JLabs DOC-025 1.0版「第3世代STBサービス・機能要件書」
JLabs DOC-026 1.1版「第3世代STBガイドライン」
改定後:JLabs DOC-025 2.0版「第3世代STBサービス・機能要件書」
JLabs DOC-026 1.2版「第3世代STBガイドライン」
【第3世代STBサービス・機能要件書の主な改定】
1. 第5章の超高精細テレビジョン放送サービスに対する要求において高度BS再放送対応を必須機能と規定
2. 個人番号カード読込み機能を必須機能に追加
3. Appendix Iを設け、各版の必須機能・推奨機能を整理
【第3世代STBガイドラインの主な改定】
1. 第3世代STBのサービスに“個人番号カードを利用した公的個人認証サービス”を追加
2. 第3世代STBサービス・機能要件書の各版に対応する必須機能を整理
3. 「個人番号カード読込み機能仕様」(JLabs SPEC-031 1.0版)の主要項目を抜粋
4. IP自主放送におけるネットワークモデルを、2016年1月のIP放送運用仕様の改定に伴い、実運用に合うよう改定
【第3世代STBが実現するサービス】
なお、その他のラボ仕様書、技術文書は、ラボHPのライブラリ内「仕様書・技術文書」に掲載しています。
2016年2月9日~12日、フロリダ州オーランドにて米国ケーブルラボ主催のWinter Conferenceが開催され、日本ケーブルラボからも2名が参加しました。
カンファレンスでは、米国ケーブルラボ、メンバー事業者、関連ベンダーから、米国において注目を集めている無線利活用、仮想化、ギガビットサービス、バーチャルリアリティ/オーグメンテッドリアリティ(拡張現実感)など、最新の取り組みが紹介されました。
米国ケーブルラボでは、「CableLabs 2.0」と呼ばれる改革を実施し、従来からある無線利活用や仮想化のような1~3年の短い期間で完了する課題に加えて、3〜8年先を見据えケーブル業界の将来に焦点を当てたイノベーション課題の研究も重視する体制が構築されました。
また会期中には、HFC伝送路とDOCSISの機能をさらに強化する技術開発についての重要な発表がありました。
(1)Ciscoと米国ケーブルラボによるRemote PHY Deviceのオープンソース化
(2)Full Duplex DOCSIS 開発計画
DOCSISの上り伝送速度を抜本的に改善し、最大で10Gbpsの上下対称通信を目指すもの
日時:平成28年4月5日(火)15:00~17:00
場所:日本ケーブルラボ会議室
議事次第
議事
(1)前回議事録の確認
(2)次世代CAS機能要件検討
(3)ACS技術仕様検討状況
(4)STB録画済コンテンツ救済技術検討
(5)第4回HDR作業班報告
(6)今後の予定
(配布資料)
企資料123-1 —- 平成27年度 第122回 事業企画委員会議事録(案)
企資料123-2 —- 次世代CAS機能要件検討
企資料123-2-1 —- JLabs C-CAS+機能要件(案)
企資料123-3 —- ACS技術仕様検討状況
企資料123-3-1 —- ACS技術仕様(案)
企資料123-4 —- STB録画済コンテンツ救済技術検討状況報告
企資料123-5 —- 第4回HDR作業班報告
企資料123-5-1 —- HDR作業班報告書案(3/18ドラフト版)
企資料123-6 —- 事業企画委員会 スケジュール
日時:平成28年3月24日(木)15:00~17:00
場所:日本ケーブルラボ KDX茅場町ビル3階 大会議室
議事次第
1. 技術委員会 議事
1.1 前回(第120回技術委員会)議事録確認(技資料121-01)
1.2 高度BS再放送運用仕様の策定について(技資料121-02)
1.3 第3世代STBサービス・機能要件書改定について(技資料121-03/03-1)
1.4 次世代CAS機能要件検討(技資料121-04)
1.5 HDR作業版(第4回)報告(技資料121-05/05-1)
1.6 今後の予定(技資料121-06)
(配布資料)
技資料121-01 第120回技術委員会議事録(案)
技資料121-02 高度BS再放送運用仕様の策定について(JLabs SPEC-033)
技資料121-03 第3世代STBサービス・機能要件書改定報告
技資料121-03-1 第3世代STBサービス・機能要件書(JLabs DOC-025 2.0版)
技資料121-04 次世代CAS機能要件検討
技資料121-05 総務省情通審HDR作業版検討状況について
技資料121-05-1 HDR作業班報告(案)・・・ 委員会後資料回収
技資料121-06 技術委員会スケジュール
日時:平成28年3月3日(木)15:00~17:00
場所:日本ケーブルラボ KDX茅場町ビル3階 大会議室
議事次第
1. 技術委員会 議事
1.1 前回(第118回技術委員会)議事録確認(技資料120-01)
1.2 高度BS再放送運用仕様の策定(0.9版)について(技資料120-02/02-1)
1.3 第3世代STBガイドラインの改定について(技資料120-03/03-2/03-3)
・個人番号カード読込み機能仕様/IP放送運用仕様の対応
1.4 HDR作業班(第3回)概要報告(技資料120-04)
1.5 伝送路高度化アンケート(技資料120-05/05-1/05-2)
1.6 今後の予定(技資料120-06)
(配布資料)
技資料120-01 第118回技術委員会議事録(案)
技資料120-02 高度BS再放送運用仕様(案)修正リスト
技資料120-02-1 高度BS再放送運用仕様(案)JLabs SPEC-033 0.9版
技資料120-03 第3世代STBガイドライン 修正リスト
技資料120-03-1 第3世代STBガイドライン JLabs DOC-026 1.2版
技資料120-03-2 第3世代STBサービス・機能要件書の考え方整理
技資料120-04 HDR作業班(第3回)の概要報告
技資料120-05 「4K/8K放送の伝送」アンケート用紙
技資料120-05-1 「4K/8K放送の伝送」アンケートの集計
技資料120-05-2 「4K/8K放送の伝送」アンケートの集計(放送256QAM)
技資料120-06 技術委員会スケジュール
日時:平成28年3月24日(木)15:00~17:00
場所:日本ケーブルラボ会議室
議事次第
議事
(1)前回議事録の確認
(2)第71回運営委員会報告(再放送仕様0.9版、サービス・機能要件書2.0版、ガイドライン1.2版報告)
(3)次世代CAS機能要件検討
(4)STB録画済コンテンツ救済技術検討
(5)今後の予定
(配布資料)
企資料122-1 —- 平成27年度 第121回 事業企画委員会議事録(案)
企資料122-2 —- 高度BSデジタル放送_0.9版説明資料(第71回運営委員会資料)
企資料122-2-1 —- 第3世代STBサービス機能要件書改定(第71回運営委員会資料)
企資料122-2-2 —- 第3世代STBガイドラインの改定(第71回運営委員会資料)
企資料122-3 —- 次世代CAS機能要件検討
企資料122-3-1 —- JLabs C-CAS+機能要件(案)
企資料122-4 —- STB録画済コンテンツ救済技術検討状況報告
企資料122-5 —- 事業企画委員会 スケジュール
2016年3月15日、TKP東京駅日本橋カンファレンスセンターにて、第2回ラボワークショップ「ケーブルWi-Fi ~ケーブルはワイヤレスとどう向かい合うか~」を開催しましたので、ご報告します。
1. 参加者数
53社96名
2. プログラム
■ 講演
1. ケーブルをとりまくWi-Fiの現状 日本ケーブルラボ
2. 宅内Wi-Fiネットワークの動向と技術課題 シンクレイヤ株式会社
3. 新たなビジネスモデルへの取り組み 日本ケーブルラボ
4. キャリアグレード品質Wi-Fi ラッカスワイヤレスジャパン合同会社
5. これからのワイヤレス環境への取り組み 日本ケーブルラボ
※講演資料をこちらに掲載しています。会員ログインのうえ、ご覧ください。
■ デモンストレーション
1. Wi-FiコントローラによるWi-Fiアクセスポイントの管理と利用者の認証 アリス・グループ・ジャパン株式会社
2. クラウドWi-Fiソリューション シスコシステムズ合同会社
開催日 | 2016年3月15日(火) |
会場 | TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター |
プログラム | ■ 講演 1. 「ケーブルをとりまくWi-Fiの現状」日本ケーブルラボ [資料] [動画] 2. 「宅内Wi-Fiネットワークの動向と技術課題」シンクレイヤ株式会社 [資料] [動画] 3. 「新たなビジネスモデルへの取り組み」日本ケーブルラボ [資料] [動画] 4. 「キャリアグレード品質Wi-Fi」ラッカスワイヤレスジャパン合同会社 [資料] [動画] 5. 「これからのワイヤレス環境への取り組み」日本ケーブルラボ [資料] [動画] ■ デモンストレーション 1. 「Wi-FiコントローラによるWi-Fiアクセスポイントの管理と利用者の認証」アリス・グループ・ジャパン株式会社 2. 「クラウドWi-Fiソリューション」シスコシステムズ合同会社 |
今号では2015年4月号で映像高品位化のひとつとして取り上げた「ハイダイナミックレンジ(HDR:High Dynamic Range)」の国内外での規格・標準化について取り上げる。
国際標準化は、ITU-R(国際電気通信連合の無線通信部門)SG6(Study Group 6:第6研究委員会)において、HDR-TV(High Dynamic Range-TV)として行われている。検討は、2012年4月の米国(ドルビー社)の規格提案により始まった。その後、蘭フィリップス(2013年10月)、英BBC(2014年3月)、日本NHK(2014年11月)も提案を行い、2015年2月の会合でITU-R勧告草案の作業文書が作成された。
この作業文書では映像信号の規定について、EOTF(電気光伝達関数~表示側)を規定する方式とOETF(光電気伝達関数~撮像側)を規定する方式の2つの枠組みに集約された。EOTFを規定する方式は絶対輝度に基づく米国/フィリップス案であり、OETFを規定する方式は相対輝度に基づくBBC/NHK案である。
さらに、2015年7月のITU-R SG6会合にて米国/フィリップス案及びBBC/NHK案の両案のシステムパラメータが併記された新勧告草案ITU-R BT.[HDR-TV]が作成され、継続審議されている。
米国/フィリップス案は、ドルビーがSMPTE(米国映画テレビ技術者協会)に提案し、ST 2084として標準化されたHDRの基準ディスプレイ特性を使うものであり、人間の視覚特性に基づくPQ(Perceptual Quantizer)カーブと呼ばれるEOTFを採用し、最大10,000nit(nitは輝度を表す単位で、1nit=1cd/m2)までの輝度値を絶対輝度で扱う。
従来技術(ITU-R BT.709、BT.2020勧告)をHDRと対比してSDR(Standard Dynamic Range)と呼ぶが、規定の輝度範囲はCRTのマスタモニタ性能を考慮して、約0.1~100nitであるから、HDRではピーク輝度が最大2桁高くなる。米国/フィリップス案は輝度値を絶対輝度で扱うため、SDRの従来型ディスプレイとは互換性が無い。
BBC/NHK案は、ハイブリッドログガンマ(HLG:Hybrid Log Gamma)方式と呼ばれ、OETFは、基準白までの低輝度領域はITU-R BT.709やBT.2020とほぼ同等のガンマカーブ、基準白を超える高輝度領域はLogカーブで圧縮する方式である。従来のテレビと同様に輝度値を相対的に扱うこと、ならびに、低輝度領域に従来のテレビと互換性のあるガンマカーブを使うため、SDRディスプレイと高い互換性がある。
国内での規格・標準化の動向であるが、BBC/NHK案は2015年7月3日にARIB規格 STD-B67となった。
また、2015年11月に総務省 情報通信審議会配下の放送システム委員会にHDR作業班が設置された。同作業班では、「超高精細度テレビジョン放送等に係るHDRの要求条件」を決めたが、基本的な考え方の一つとして、超高精細度テレビジョン放送に係る衛星デジタル放送方式の技術的条件を踏まえるとあり、高度BS放送での導入が想定されている。さらに、この要求条件に基づき「超高精細度テレビジョン放送システム等の高画質化に係る技術的条件」について2015年11月26日まで提案募集を実施した。提案募集に対して、ARIBより1件提案され、ITU-Rでの標準化と同様に米国/フィリップス案とBBC/NHK案を併記した提案内容である。この提案について1~2月に放送システム委員会にて審議し、情報通信審議会答申、電波監理審議会答申を経て、夏頃に省令告改正が予定されている。
(本内容は、『ケーブル新時代』(発行:NHKエンタープライズ)2016年3月号に掲載されたものです。)
日時:平成28年3月10日(木)14:00~16:00
場所:ラボ3階会議室
議案
(1) 第70回運営委員会議事録確認
(2) 承認事項
・平成28年度事業計画案
・特別賛助会員制度の新設
(3) 報告事項
・4K再放送運用仕様0.9版策定状況
・第3世代STBサービス・機能要件書および第3世代STBガイドライン改定状況
・委員会活動
- 事業企画委員会
- 技術委員会
- 認定委員会
・技術調査報告
- 米国ラボ ウィンターカンファレンス参加報告
・その他
- NICT受託案件進捗状況および次年度予定
- [資料配布] 次世代IPビデオワークショップ開催報告
(4) その他
・ラボカレンダー
・運営委員会開催スケジュールの確認
(配布資料)
資料71-00—–第71回運営委員会の議事次第
資料71-01—–第70回運営委員会議事録案
資料71-02—–平成28年度事業計画案
資料71-03—–特別賛助会員制度の新設
資料71-04—–4K再放送運用仕様書0.9版策定状況
資料71-04-2—-4K再放送運用仕様JLabs SPEC-033 0.9版
資料71-05-1—-第3世代STBサービス・機能要件書改定報告
資料71-05-1-2—第3世代STBサービス機能要件書JLabs DOC-025 2.0版
資料71-05-2—-第3世代STBガイドライン改定状況
資料71-05-2-2—第3世代STBガイドライン1.2版改定状況
資料71-06—–事業企画委員会活動報告
資料71-07—–技術委員会活動報告
資料71-08—–認定委員会活動報告
資料71-09—–米国ラボ ウィンターカンファレンス参加報告
資料71-10—– NICT受託案件進捗状況および次年度予定
資料71-11—– 次世代IPビデオワークショップ開催報告
資料71-12—–ラボカレンダー
資料71-13—–運営委員会開催スケジュール
日時:平成28年3月8日(火)15:00~17:00
場所:日本ケーブルラボ会議室
議事次第
議事
(1)前回議事録の確認
(2)第3世代STBサービス・機能要件改定
(3)第3世代STBガイドライン改定(技術委員会報告)
(4)次世代CAS機能要件検討
(5)第3回HDR作業班報告
(6)今後の予定
(配布資料)
企資料121-1 —- 平成27年度 第120回 事業企画委員会議事録(案)
企資料121-2 —- 第3世代STBサービス・機能要件書改定(案)
企資料121-2-1 —- JLabs DOC-025「第3世代STBサービス機能要件書 2.0版(案)」
企資料121-3 —- JLabs DOC-026「第3世代STBガイドライン_1.2版(案)」
企資料121-4 —- 次世代CAS機能要件検討
企資料121-5 —- 第3回HDR作業班報告
企資料121-5-1 —- HDR TVに関するITU-R SG6会合の結果
企資料121-5-2 —- ARIB報告資料 要求条件との整合性
企資料121-6 —- 事業企画委員会 スケジュール
企資料121-7 —- 事業企画委員会 メンバー表
日本ケーブルテレビ連盟近畿支部が主催し、日本ケーブルラボが後援する「ケーブルテレビテクノフェア in Kansai 2016(関西テクノフェア)」が2016年2月19日、大阪マーチャンダイズ・マートで開催されました。
セミナー会場では、ラボの松本修一専務理事が「ラボが描くケーブルグランドデザイン2020」をテーマに講演し、約130名の方々に聴講いただきました。
■ 講演の要旨
100GPON、DOCSIS3.1、高速Wi-Fi、MVNO、ネットワーク仮想化、ネットワークDVR、第4世代IP-STB、D-CASなどの動向とともに、2020年に向けたオールIPマイグレーションについて、4K/8Kの展開と合わせて展望
当日の講演資料はこちらです。会員ログインの上、ご覧ください。
また展示会場では、主催者ブースにおいて、日本ケーブルテレビ連盟と共同でケーブル4Kサービスについての展示を行いました。
ラボは、4Kスマート編集システムによる4Kコンテンツ編集デモと、同システムに実装したHEVCファイルエンコーダによるHEVC/H.265形式の25Mbpsと35Mbpsとの映像比較デモを実施しました。