ITU-T SG9は1期4年の会期をもって運営されており、今年からは2020年までの新たな研究会期に入りました。その第1回会合が2017年5月24日~5月31日中国・杭州市で開催され、日本ケーブルラボも出席し、審議に参加しました。
会合では新会期の研究課題が設定され、その内RGWとSTB関連の研究課題である「課題6」では、ラボが昨年ITU-Tで勧告化したJ.297(4KケーブルSTBの技術仕様)に、その後日本で標準化した技術仕様を追加することを提案し、採択されました。
会合期間中の5月26日にはワークショップが開催され、ラボは日本のケーブル業界の現状と第3世代STBを紹介するプレゼンテーションを行いました。展示ブースにも出展し、ラボに設置したSTBからのリモート視聴を実演しました。
ラボが今回提案したITU-T勧告J.297(4KケーブルSTBの技術仕様)の改定の概要は次のとおりです。
ITU-T勧告J.297は、日本ケーブルラボの「第3世代STBサービス・機能要件書」(JLabs DOC-025 1.0版)および「第3世代STBガイドライン」(JLabs DOC-026 1.1版)にある規定の中から、4K UHDTV STBのRFリニア、IPリニア、IP-VOD機能についての要求条件と機能仕様を国際標準化したものです。今回はこの勧告に複数搬送波方式とHDR(High Dynamic Range)機能を追加することを提案しました。
今研究会期では、前会期にSG9が所管した映像品質関連の研究課題がSG12に、同じくホームネットワーク関連の研究課題がSG15に移管されました。SG9が今研究会期で取り組む研究課題と体制はSG9のホームページに掲載されています*1。
ラボはケーブルテレビサービスを高度化する日本の技術仕様を国際標準化し、グローバルな視点での業界貢献にも積極的に取り組みます。
*1 http://www.itu.int/net4/ITU-T/lists/loqr.aspx?Group=9&Period=16