ハートネットワーク 地域ケーブルテレビネットワーク整備事業
「5GHz帯無線伝送システム整備」
愛媛県新居浜市の株式会社ハートネットワークは、平成25年度地域公共ネットワーク等強じん化事業(地域ケーブルテレビネットワーク整備事業)の交付を受けました。
今回の整備事業として導入した5GHz帯無線伝送システムをご紹介いたします。
1.ハートネットワーク概要
株式会社ハートネットワークは、愛媛県西条市・新居浜市をサービスエリアとするケーブルテレビ局です。
毎年秋に開催される太鼓祭りは、徳島の阿波踊り、高知のよさこい祭りと並び四国三大祭りとしても知られており、サービスエリア内の全地域からの祭り映像の中継を実施しています。今回整備を行う5GHz帯無線伝送システムは、サービスエリア内の各所からコンテンツ伝送を行うことが可能となり、災害時のみならず平時利用でも有効利用できるものです。
2.補助事業の目的
<背景>
ハートネットワークが放送する自主制作チャンネルは、災害時などには、新居浜市・西条市両市との「災害時における協定」により、市民に対し優先的に防災・緊急情報を放送する取り決めとなっています。新居浜市・西条市においては、大水害発生の危険性(平成16年に被災)、南海トラフ巨大地震による震度7相当の被害が想定されています。災害協定に基づき、地域の情報媒体としての責任を果たすため、災害発生時の大規模停電や伝送路切断による停波時において、ケーブルテレビ放送のバックアップ放送としてコンテンツ配信できるよう、両市において次の整備を行います。
また、ハートネットワークでは両市においてそれぞれエリア放送の電波送出運用を行っています。エリア放送はワンセグ・フルセグに対応しており、無線によるサービスのため災害時に有効とされています。5GHz帯無線伝送システムと連携されることにより災害時に強いシステムとして期待することができます。
・放送、通信に使用が可能な5GHz帯無線伝送システムの整備
エリア放送送信局の設置を予定している西条市役所は、本社から約20Km離れておりその間は光ケーブルで接続しています。また、新居浜市役所との接続も光ケーブルを使用しており、災害時の断線により放送・通信に影響が出ることが懸念されます。これらを解消するため、5GHz帯を使用した無線設備を新居浜・西条両市から見通しが可能な箇所に設置し、断線などの障害が発生した場合でも無線によるバックアップが出来るシステムを整備します。その他、災害時において、市内各箇所からの中継回線としても使用することが可能となります。
(新居浜市・西条市5GHz帯無線設備サービスエリア図〔シュミレーション〕参照)
・5GHz帯無線設備整備
整備場所:新居浜市金子山
選定理由:新居浜・西条両市から見通しが利くため、広範囲でのアクセスが可能となる。
【システム概要】
・地デジ送信アンテナが設置されている金子山のTV鉄塔に5GHz帯無線中継の親局アンテナを設置。
これを経由し新居浜・西条の主要エリアから本社へ映像を伝送。
・子局側には5GHz帯の長距離伝送型アンテナを採用し、金子山に基地局アンテナを2面設けることで広域エリアをカバー。
・金子山基地局からセンター間は、既設の光回線により伝送。
【導入のメリットとして】
■任意の場所から簡易に伝送
導入により幅広い任意の場所から簡易に現地映像を伝送することが可能となり、祭りや各種イベント・災害現場などの中継で、より地域に密着したリアルタイムな番組提供へとつながります。
■災害時等のバックアップとしても活用
有線路上における機器故障やケーブル断等が発生した場合には、回線バックアップとしての活用も考えられ、災害等万一の際に有効となります。
【連絡先】
株式会社ハートネットワーク
愛媛県新居浜市坂井町2-3-17
TEL:0897-32-7777
事業推進室 尾関 信圭