ケーブルテレビが提供するスマートホームライフ
~「タブレットTV」が実現する便利、快適、楽しいホーム~
(株)東京デジタルネットワーク
代表者会議 議長 棟田 和博
(東京ケーブルネットワーク 代表取締役社長)
東京デジタルネットワーク(TDN)では、毎月開催している代表者会議の場にて最近の議論のポイントは、今後の新たな事業の模索、収益源の創出であった。TV離れがジワジワと進み、インターネットのサービス拡充/高速・広帯域化、スマホの伸び、等放送(映像)/通信のサービスが多様化、激変、事業の競争環境激化の中で、喫緊の課題である。
その中にあって、タブレットの商品性に着目した東京ケーブルネットワーク(TCN)が2011/9から4ヶ月間トライアルを実施、2012/7/1から商用サービスを開始し、南東京ケーブルテレビ(CTS)では2011/2から1か月間トライアルを実施しており、東京ベイネットワーク(TBN)も具体化検討を進める等、数社が動き始めた。しかしながら個局単位での展開では今一つ事業として本格化できずにいた。商品企画力、開発力、等が充分とは言えず、定常業務に追われ、新規事業への取り組みに大きな工数をかけられない中小規模のCATV会社のネックでもあった。2012/下期に入って、上記3社の経営トップは協議し、コンソシアムを構築し、トップダウンで実務スタッフを牽引していくプロジェクトをスタートさせた。更にこのコンソシアムにパナソニック、NECというSTB、タブレットのベンダーを加え、従来からビジネス連携している通販のQVCに参加してもらった。進めるにあたっては、①2012年度末までに事業化 ②タブレットは10インチ版 ③簡単リモコンにはWi-Fiを活用 ④DLNAを活用したセカンドスクリーン機能を整備 ⑤現時点で顧客に設置されているSTBを可能な限り使用できる機能でのスモールスタート、等の基本的条件を提示して実行力を加速させた。
第1期の商用化、トライアル、等の経験とその時の市場からの声を反映し、家庭でのTVは複数の人での視聴機会が多く、そういう場での個人のニーズ、例えば家族みんなでホームドラマを見ている時に、他のチャンネルで配信しているサッカーの試合を見たい! という欲求、等が多くあることを実感した。このようなニーズに対し、STBまで送信されている信号を有効に活用してタブレットを生かす! 更には、操作方法での問い合わせ、クレームが多い従来リモコンの改善! というコンセプトをベースに商品化を進めた。
市場展開にあたっては、上記3社以外のTDN参加局はもとより、いずれのCATV会社の「タブレットTV」展開要望にも対応できることとしている。CATV会社は保有している設備、サービス等が異なっているケースが多く、画一的なサービスを展開するのに難がある。
「タブレットTV」は既に市場展開されている汎用のSTBを対象にしており、機能を必要最小限に抑えることで、利活用条件が異なるCATV会社でのサービス展開に多用性を持たせている。タブレットの仕入れにはTDN経由でのメーカへの一括購買とすることで、価格面、対メーカ交渉面、等での各局への負担を軽減し、メリットが享受できる仕組みとした。「タブレットTV」がタブレットを活用したケーブルテレビ会社によるスマートホームライフ提供の一つのアプローチとなることを期待している。

