ハートネットワークのエリア放送への取組み
― 愛媛県新居浜市(株)ハートネットワークは、
10月12日にエリア放送局を開局しました。―
株式会社ハートネットワーク
スマートフォンの普及に代表されるよう、様々なデバイスのワイヤレスネットワーク接続の需要が高まってきており、公衆の場だけでなく、家庭内など屋内でもワイヤレス接続が主流となりつつあります。このような中、総務省では、電波の有効利用を図ろうと、地域などで局所的に割り当てがない周波数、いわゆる「ホワイトスペース」に関して2009年から調査・検討を行ってきました。
ハートネットワークでもこのような状況を受けて、日本ケーブルラボと共同のもと、ハートネットワークのエリアである新居浜市において、2009年5月より、ワンセグ放送用実験免許を取得し、CATV伝送路を活用した地域ワンセグ実験を行いました。
愛媛県新居浜市は、四国瀬戸内海側のほぼ中央に位置しており、電波銀座と言われる通り、岡山県などの中国地方、香川県などからの空中波により周波数が逼迫しており、使用できる周波数を見つけるには苦労しましたが、空き周波数を確保し実験にこぎつけました。実験では、技術的検証を中心に行い、協議会及びラボでは一定のデータを取得しガイドラインを作成するに至っています。
そして2010年、総務省は、ホワイトスペースを活用したシステムの実現に向けた制度化への反映やビジネス展開の促進を図るため「ホワイトスペース特区」を創設しました。ホワイトスペース特区には全国から、50者以上100件超に及ぶ提案応募があり、その中から選定基準をクリアした先行モデル11者が選ばれ、ケーブルテレビ無線利活用促進協議会の会員としてハートネットワークもこの中の1社として実験に参加しました。
ホワイトスペース特区としての実証実験は、「CATV網を活用した地域ワンセグ放送」をテーマとし、前年に行った技術的検証に加え、幅広いコンテンツの提供、デジタルサイネージ利用、そして何といってもビジネスモデル確立の可能性を探ることに主眼を置いてまいりました。
実験にあたり、「新居浜市地域ワンセグ推進協議会」を立ち上げ、自治体をはじめ、商工会、商店街、観光協会などの地元団体、機器メーカー、ベンダー、有識者等にご参加をいただき、ワンセグインフラを利用して、様々な実験を行いました。
実験の結果としては、当面地域ワンセグ放送を、防災・災害情報の伝達がメインとなることが望ましいとの結論に達し、この結論を基に、2012年4月に制度化されたエリア放送にいち早く免許申請を行い、10月3日に免許交付され、12日のエリア放送開局に至りました。
電波送出を行っている場所は、新居浜市のハートネットワーク本社ビルと新居浜市役所、イオン新居浜店と西条市のフレスポ西条の4箇所です。エリア放送チャンネル名を、それぞれ「新居浜防災チャンネル」、「西条防災チャンネル」として、災害時での有効な情報発信・避難所でのコミュニケーションに活かすことを目指しています。昨年の東日本大震災以降、防災への意識が高まる中、このエリア放送が災害時に有効に働くメディアとして、全国で活用されることを期待しています。これはケーブルテレビ局の地域での役割として、非常に大きな意味を持つものだと考えています。
今後はデータ放送の充実・地域SNS連動機能や、スマートフォンの位置情報機能と連携したワンセグチャンネルのダイレクト起動機能などのエリア放送を活かしたアプリの開発を検討しています。特にスマートフォン向けアプリでは、Wi-Fiと連動したシームレスな情報配信サービスにより新たなケーブル局の事業性の確立を目指します。
ハートネットワークで取り組んでいる事業モデルがケーブルテレビ局の取り組むエリア放送のモデルとなり、全国でエリア放送が普及することを願っています。
ハートネットワークでのエリア放送運用概要
=お問い合わせ=
株式会社ハートネットワーク
事業推進室 尾関 信圭
792-0812 愛媛県新居浜市坂井町2-3-17
TEL:0897-32-7750
E-mail:ozeki@hearts.ne.jp
